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部品選定・補強テクニック・試験方法(実践編)

初出公開日 May 26, 2026, 更新日 May 26, 2026

1 min

目次
  • 重い部品と高さのある部品の扱い
  • 部品選定時のポイント
  • 基板補強とレイアウトの工夫
  • コーティングとステーキング
  • 材料選びと試験・評価
  • まとめ

本記事では、振動や衝撃に強い基板を実現するための「部品選定」「補強テクニック」「試験・評価」のポイントをまとめます。前編の固定方法と組み合わせることで、より壊れにくい設計に近づけます。

重い部品と高さのある部品の扱い

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 大型の電解コンデンサ、コネクタ、トランスなど、質量の大きい部品は振動で外れるリスクが高くなります。質量が大きいほど慣性力も大きくなり、はんだ付け部や基板にかかる力が増えるためです。

 対策としては、重い部品を固定点の近くに配置して、基板全体のたわみを抑えることが有効です。また、そもそも基板上に載せず、金属ブラケットなどを使って筐体側に直接固定してしまう方法もあります。この場合、基板には信号や電源だけを配線し、機械的な負担を減らせます。

部品選定時のポイント

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  • コンデンサ:電解コンデンサは液漏れやリード折れのリスクがあります。耐振動性を重視するなら、内部が固体電解質の固体コンデンサを選ぶと有利です。ただし、一般的な電解コンデンサに比べて高価で、耐圧も低めという制約があります。さらに振動に強い選択肢として、条件が合えばセラミックコンデンサ(MLCC)も検討できます。
  • コネクタ:ロック機構付きや、筐体にねじ止めできるタイプを選ぶと、抜けや断線を防ぎやすくなります。振動環境では「抜けにくさ」がそのまま信頼性につながります。
  • ICやBGA:BGAのように裏面に多数のはんだボールを持つパッケージは、振動や温度変化で割れやすい部分があります。ICの下に樹脂を流し込んで固めるアンダーフィルを使うと、はんだ部分にかかる負担を分散できます。

基板補強とレイアウトの工夫

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基板自体の補強

 スティフナー(stiffener)は、基板の一部に金属や厚い樹脂を貼り付けて剛性を上げる方法です。特にフレキシブル基板のような柔らかい基板では効果が大きく、振動によるたわみを抑えられます。また、筐体側にリブ(補強用の突起)を設けて基板を面で支えることも有効です。

レイアウトの基本ルール

 薄くて広い板(下敷きなど)をイメージすると、基板のたわみ方を想像しやすくなります。

  • 重い部品は外周へ:基板中央に重い部品を置くと曲げモーメントが大きくなり、たわみ量が増えます。外周や固定点の近くに配置すると、振動による変形を抑えやすくなります。
  • 対称配置:質量が片側に偏ると、特定方向の振動に弱くなります。できるだけ対称に配置して、振動応答を安定させます。
  • クリアランスの確保:振動で部品同士や筐体と接触しそうな部分には、十分な隙間(クリアランス)を設けます。

コーティングとステーキング

コンフォーマルコーティング

 コンフォーマルコーティングは、基板全体を薄い樹脂膜で覆う方法です。湿気や微小振動、汚れなどから基板を保護できます。材料にはアクリル、シリコーン、ウレタンなどがあり、用途や環境に応じて選定します。ポッティングやエンキャプスレーションに比べて軽量で、修理性も比較的良好です。

接着剤によるステーキング

 ステーキングは、大型部品や振動に弱い部品の足元に接着剤を盛り、機械的強度を高める補強方法です。シリコーン系接着剤は柔軟性が高く振動吸収に優れますが、エポキシ系に比べて接着強度や耐熱性が劣る場合があります。一方、エポキシ系は高強度・高耐熱ですが硬く、部品と基板の熱膨張差による応力が大きくなりやすい点に注意が必要です。

材料選びと試験・評価

  • 接着剤:耐熱性が必要ならエポキシ系、柔軟性が必要ならシリコーン系が一般的です。シリコーンを使う場合は、酢酸硬化タイプではなく、金属を腐食しにくい非腐食性タイプを選ぶことが重要です。
  • ダンパー材:高周波振動を抑えたい場合は硬めのゴム、低周波や衝撃吸収を重視する場合は柔らかめのシリコーンを選びます。ゴムは温度によって硬度が変化するため、使用環境温度を考慮して選定します。
  • スタンドオフ:金属製は剛性が高く、樹脂製は電気絶縁性が高いという特徴があります。固定点近くのパターンが削れて導通するリスクが気になる場合は、樹脂製スタンドオフや樹脂ワッシャーの併用が有効です。

振動試験とチェックリスト

 実機が完成したら、簡易的にでも振動や衝撃に対するチェックを行うと安心です。軽く叩いてみる、少しの高さから落としてみるなどでも、部品のぐらつきや接触不良が見つかることがあります。業務用途では、MIL-STD-810 や IEC 60068 シリーズなどの規格を参考に、専用の試験装置で評価するのが一般的です。

  • ねじやスタンドオフの締め付けは適切か。
  • 重い部品は補強されているか。
  • コネクタのロック機構は確実か。
  • はんだフィレットは良好か。
  • コーティングやポッティングで放熱が阻害されていないか。

まとめ

 耐振動・耐衝撃設計は、固定方法、部品選定、基板補強、レイアウト、試験を組み合わせて考えることで、少しずつ「壊れにくい」方向へ近づけていく作業です。単一の対策だけで完璧にするのは難しいため、複数の手法を重ねて冗長性を持たせることが重要です。

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