ブログ - JLCPCB
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多層基板における開発背景及び応用領域
1.多層基板の開発経緯および構成 多層基板は、複雑化する電子機器のニーズに応えるために開発された技術です。従来の片面基板や両面基板では、配線の密度や複雑さに限界がありましたが、電子機器の高機能化や小型化が進む中で、より多くの配線層を持つ基板が必要とされました。これにより、1960年代後半から1970年代にかけて、多層基板(MultilayerPCB)が登場しました。 図1 JLCPCBの製品イメージ図 多層基板の基本的な構成は、複数の絶縁層の間に導電性の銅箔層を挟んだ構造で、一般的には3層以上の配線層を持ちます。これにより、電源、信号、グラウンドなどの異なる回路を層ごとに分離でき、回路設計の自由度が大幅に向上しました。多層基板は、配線を複数の層に分けることで、高密度化を実現し、基板の小型化や高性能化に貢献しています。 技術要件 1.ビアホール技術:多層基板では、層間を接続するビアホール(貫通ビア、ブラインドビア、バリードビア)が重要な役割を果たします。これらは、配線層間の電気的接続を担い、精密な加工技術が必要です。 2.絶縁性と誘電率:各層の絶縁性を確保するため、絶縁材料の選定が重要です。また、高......
Oct 27, 2024
多層基板における開発背景及び応用領域
1.多層基板の開発経緯および構成 多層基板は、複雑化する電子機器のニーズに応えるために開発された技術です。従来の片面基板や両面基板では、配線の密度や複雑さに限界がありましたが、電子機器の高機能化や小型化が進む中で、より多くの配線層を持つ基板が必要とされました。これにより、1960年代後半から1970年代にかけて、多層基板(MultilayerPCB)が登場しました。 図1 JLCPCBの製品イメージ図 多層基板の基本的な構成は、複数の絶縁層の間に導電性の銅箔層を挟んだ構造で、一般的には3層以上の配線層を持ちます。これにより、電源、信号、グラウンドなどの異なる回路を層ごとに分離でき、回路設計の自由度が大幅に向上しました。多層基板は、配線を複数の層に分けることで、高密度化を実現し、基板の小型化や高性能化に貢献しています。 技術要件 1.ビアホール技術:多層基板では、層間を接続するビアホール(貫通ビア、ブラインドビア、バリードビア)が重要な役割を果たします。これらは、配線層間の電気的接続を担い、精密な加工技術が必要です。 2.絶縁性と誘電率:各層の絶縁性を確保するため、絶縁材料の選定が重要です。また、高......
Oct 27, 2024
PCBにおけるナイロン樹脂開発背景及び応用事例考察
1.PCBにおけるナイロン樹脂の応用事例及び開発背景 プリント基板(PCB)は電子機器の心臓部として、数多くの分野で利用されています。PCBの製造においては、従来から金属やガラスエポキシなどの素材が使用されてきましたが、近年はナイロン樹脂の応用が注目されています。ナイロン樹脂は、軽量かつ耐久性があり、絶縁性にも優れているため、PCBの性能向上に寄与する素材として注目されています。 図1 JLCPCBにおけるPCB製造工程イメージ 1.1 応用事例 PCBにおけるナイロン樹脂の具体的な応用事例としては、次のようなものがあります。 耐熱性を必要とする用途:ナイロン樹脂は優れた耐熱性を持ち、特に高温環境下で使用される電子機器に適しています。例えば、自動車産業においては、エンジンルーム内で使用される制御ユニットの基板にナイロン樹脂が使われることがあります。これにより、過酷な温度変化に耐えながら、安定した性能を発揮することができます。 耐湿性を要求される環境での利用:ナイロンは吸湿性があり、一定の湿度を保つことで部品の耐久性や信頼性を向上させる役割を果たします。これは、湿度が高い環境での使用が予想される機器......
Oct 26, 2024
PCBにおけるレジン用途と開発背景及び特徴説明
1.PCBにおけるレジン用途及び開発背景 プリント基板(PCB)において、レジンは非常に重要な役割を果たしています。レジンは主に絶縁材料として使用されることが多く、PCBの耐久性や信頼性を向上させるために不可欠な存在です。電子機器の進化に伴い、より高密度で高速な信号処理が求められるようになり、そのためには基板に用いる材料の特性が極めて重要です。レジンの用途や技術要件は、これらの高性能化要求に対応するために継続的に開発されています。 図1 JLCPCBにおけるPCB組立ラインイメージ 1.1 レジンの用途 PCBにおけるレジンの主な用途は以下の通りです。 絶縁材料としての使用:レジンは、PCB内の異なる導体間を電気的に絶縁する役割を持ちます。これにより、信号が正しく伝達され、ショートやリークなどの電気的トラブルを防止します。 防湿性と耐環境性の向上:レジンは基板全体をコーティングすることで、水分や湿気などの外部環境から基板を保護します。これにより、過酷な環境下でも電子機器が安定して動作するようにサポートします。 メカニカルストレスからの保護:PCBは物理的な衝撃や振動にさらされることが多いため、レジ......
Oct 26, 2024
PCBにおけるフライス加工の開発背景及び技術動向
1.PCBにおけるフライス加工の応用事例及び開発背景 フライス加工は、PCB(プリント基板)の製造において重要な役割を果たしており、特に高精度で複雑な形状の基板や微細なパターンの加工に用いられています。フライス加工は、切削工具を用いて材料を除去することで、特定の形状を作り出す技術です。PCBの製造においては、基板の外形加工や部品の取り付け位置の加工に使用されることが多く、高精度での製造が求められる現代の電子機器において不可欠なプロセスです。 図1 JLCPCBにおけるPCB製品イメージ 1.1 応用事例 PCBにおけるフライス加工の応用事例としては、以下のようなものが挙げられます。 高精度基板の外形加工:フライス加工は、PCBの外形を高精度で加工する際に使用されます。特に、複雑な形状や狭いスペースでの加工が求められる場合、他の加工技術では実現が難しい精度を確保することが可能です。例えば、通信機器や医療機器のPCBでは、高精度な外形加工が不可欠です。 スルーホールやバイアホールの作成:スルーホールやバイアホールは、PCBの層間を接続するための重要な要素です。フライス加工は、これらの穴を精密に加工する......
Oct 26, 2024
PCBにおける高密度配線(HDI)技術の応用と発展
PCBにおける高密度配線(HDI)技術の応用と発展 電子製品が小型化、高性能、多機能化の方向へ発展し続ける中、高密度配線(HDI)技術はプリント基板(PCB)にますます広く応用されています。HDI技術は、PCBの配線密度を効果的に向上させ、電気的性能を強化し、現代の電子製品設計における重要な技術手段となっています。この記事では、HDI技術の基本原理、応用分野、および将来の発展動向を探り、HDI PCB製造におけるJLCPCBの利点を紹介します。 HDI技術の基本原理 高密度配線(HDI)技術は、マイクロビア(Microvia)、精細なライン、埋め込みビア/ブラインドビアなどの技術手段を使用して、PCB設計と製造においてより高い回路密度と優れた電気的性能を実現することを指します。HDI PCBは通常、以下の特徴を持ちます: 1. マイクロビア技術:レーザー掘削技術を使用してPCB上にマイクロビアを形成し、これらのマイクロビアの直径は通常150ミクロン未満です。 2. ブラインドビアと埋め込みビア:ブラインドビアはPCBの特定の層のみを接続し、埋め込みビアはPCB内部に完全に埋め込まれ、層間の接続密度......
July 3, 2024
カラー基板コンテスト
JLCPCB カラーpcb-イベント ❖応募テーマ どんな内容でもok、PCBや電子工作などについての画像を投稿する! 「芸術」は説得力があっていいです ❖期間とスケジュール 募集期間:現在から7月31日 提出期限:募集期間と同様 受賞者の発表:毎月の7日/ JLCPCBのホームページ・で公開 ❖参加資格 日本にいる人! (在日外国人を含む)、日本人、日本語がわかる人 (#JLCPCB.JP #JLCマルチカラーシルクスクリーンPCB#電子工作) *投稿公開必須 ❖審査基準 ☆PCBのアイデアや写真の見せ方はより発想的でいいこと ❖マルチシルクスクリーンを注文し、twitterで共有する ☆@JLCPCB_Japan & 3人 エンジニアの友達 ; #JLCPCBJP #JLCマルチカラーシルクスクリーンPCB #電子工作 ❖最高得点者の5人にフルカラーシルクスクリーンPCB定規+JLC $50割引+amazon 電子ギフトカード$50+3DPクーポン$8をプレゼント(JLCPCB_Japanは7月31日以降に結果をツイートします) ☆コメント=3ポイント、リツイート=2ポイント、いいね=1ポイン......
May 28, 2024
基板設計に関わる技術及び手法の考察
1.プリント基板(PCB)の設計の流れと注意点 プリント基板(PCB)の設計プロセスは、多段階にわたる複雑な手順が必要であり、各段階での慎重な注意が求められます。以下に、PCB設計の流れと視点ごとの注意点を説明します。 図1 JLCPCB仕上げ製品イメージ 1.1 要件定義と設計仕様の確認 最初のステップは、システムの要件を定義し、使用する部品や機能を明確にすることです。これには、電源電圧、動作周波数、使用するICや部品のリスト、基板の層数などが含まれます。要件定義の段階でシステム全体を把握し、必要な性能や物理的制約を考慮することが重要です。 1.2 回路図の作成 回路図エディタを使って、電子部品を配置し、それらを相互に接続します。この段階では、各部品のピン配置や動作条件を確認しながら、正確に回路を設計することが必要です。また、将来的な拡張や修正がしやすいように、論理的で見やすい回路図を作成することが推奨されます。部品の誤選択や接続ミスがあると、基板の製造後に修正が難しくなるため、細心の注意を払います。 1.3 ネットリストの生成と検証 回路図が完成したら、ネットリストを生成します。これは、各部品......
Oct 27, 2024
PCBにおける回路図設計の詳細と技術要件及び素子の自動再配置手法
1.PCBにおける回路図設計の詳細と技術要件 プリント基板(PCB)設計における回路図設計は、電子機器の信頼性と性能を確保するための重要な工程です。PCBは、電気回路を物理的に配置し、各コンポーネントを接続する基板であり、回路図設計はその基盤となるものです。以下では、PCBにおける回路図設計の詳細なプロセスと技術要件について説明します。 図1 JLCPCBにおけるPCB実装イメージ 1.1 要求仕様の定義 PCBの回路図設計の最初のステップは、製品の要求仕様を明確にすることです。これには、使用される回路の機能、動作周波数、消費電力、信号伝送の要件、耐環境性などが含まれます。また、部品の選定やレイアウトに関して、機械的制約やコスト、製造プロセスなども考慮されます。これらの要求仕様に基づいて、PCBの回路図設計が進められます。 1.2 回路図設計ソフトウェアの使用 PCBの回路図設計は、専用のEDA(ElectronicDesignAutomation)ツールを用いて行われます。代表的なツールには、AltiumDesigner、EAGLE、KiCADなどがあり、これらは回路図の作成から基板レイアウトま......
Oct 26, 2024
PCBにおける実装設計及び実装用デカップリング素子の特性と考察
1.PCBにおける実装設計について プリント基板(PCB)の実装設計は、電子回路や部品が効率的に動作するための重要なプロセスです。設計が不適切であれば、性能の低下、製造工程での問題、さらには製品の故障につながる可能性があります。そのため、PCBの実装設計には高度な技術と注意が求められます。ここでは、PCB実装設計の概要と、具体的な技術要件について説明します。 図1 JLCPCB製品イメージ 1.1 実装設計の基本要素 PCBの実装設計では、回路パターンのレイアウト、部品の配置、配線、信号の整合性、電源供給、放熱設計、EMI(電磁干渉)の制御など、さまざまな要素が関与します。まず、回路パターンのレイアウトは、電子回路が適切に機能するために最も重要な要素の一つです。回路はできるだけ短く、直線的に設計することで、信号の遅延やノイズの発生を抑えることができます。 次に、部品の配置が重要です。部品の位置は、信号の流れ、放熱、そして製造効率に影響を与えるため、適切に配置する必要があります。たとえば、発熱する部品を冷却装置や放熱経路に近い位置に配置することで、基板全体の温度を低く保つことができます。また、部品間......
Oct 26, 2024
kicadの使い方説明及びkicadに基づいたプリント基板開発実例
1.KiCadの使い方と注意点 KiCadは、オープンソースの電子設計自動化(EDA)ツールで、プリント基板(PCB)の設計をサポートするために広く利用されています。KiCadを使用することで、回路図の作成、PCBレイアウトの設計、部品リスト(BOM)の生成、3Dビジュアライゼーションなどの多様な機能を利用することが可能です。初めてKiCadを使用する際の基本的なステップは以下の通りです。 図1 JLCPCBにおけるPCB製造工程イメージ Step1)回路図エディタ(Eeschema)の使用: KiCadのプロジェクトを新規作成したら、まず「Eeschema」で回路図を作成します。ここでは、ライブラリから部品を選択して回路図に配置し、配線を行います。部品の選択や回路の配線は、直感的なインターフェースで操作が可能ですが、適切なライブラリの管理が重要です。新しい部品ライブラリをインポートしたり、既存のライブラリから適切な部品を選ぶ際は、互換性や実装可能性に注意する必要があります。 Step2)部品アノテーションとネットリスト生成: 回路図を作成したら、部品に一意の識別子をアノテートし、ネットリストを生......
Sept 29, 2024
基板における信頼性評価手法及び内蔵受動部品の集積化に関する開発領域
1.基板に用いる信頼性評価について 基板における信頼性評価は、電子機器の長期的な安定性と安全性を確保するために非常に重要です。信頼性評価は、設計、製造、使用環境などの要素が基板に与える影響を確認し、製品の寿命や耐久性を保証するために行われます。電子機器の基板は、多くの場合、高温、低温、振動、湿度、電磁干渉などの過酷な条件下で使用されるため、信頼性評価は欠かせないプロセスです。以下では、基板に対する主な信頼性評価項目と評価手法について説明します。 図1 JLCPCB製品イメージ 1.1 熱衝撃試験 基板は、使用環境によって温度変化を頻繁に受けることがあります。このため、熱衝撃試験は非常に重要な評価手法です。熱衝撃試験では、基板を急激に高温から低温、あるいはその逆に切り替えることで、温度変化による基板やその上の部品の劣化を確認します。この試験は、熱膨張や収縮による接合部や導電パターンの断裂、部品のはがれなどを検出するのに役立ちます。 1.2 振動試験 電子機器は、輸送中や使用中に振動を受けることが多いため、基板の振動試験も必要です。この試験では、基板に一定の周波数や振幅の振動を加え、機械的な強度や接合......
Oct 26, 2024
電子センサーの探究:現代技術のバックボーン
導入: 今日のテクノロジー主導の世界では、電子センサーはデバイスの感覚器官として機能し、デバイスが周囲の環境を認識して相互作用できるようにします。スマートフォンやスマートウォッチから産業機械や医療機器まで、センサーは不可欠です。その中でも、運動感覚センサーは物理的な動きや位置を検出するのに優れています。この記事では、電子機器におけるセンサーの役割について説明し、運動感覚センサーのアプリケーションと科学について詳しく説明します。 1. 電子センサーの理解: 電子センサーは物理現象を検知・測定し、それを電気信号に変換します。センサーにはさまざまな種類があり、それぞれ特定の用途に適しています。 温度センサー: - 熱特性を通じて熱を測定します。 - HVAC システム、自動車、医療機器によく使用されます。 - 例としては、熱電対、RTD、サーミスタなどがあります。 圧力センサー: - 圧電、静電容量、またはひずみゲージ技術を使用して圧力の変化を測定します。 - 産業機械、自動車システム、民生用電子機器に使用されます。 - アプリケーションには、流体圧力監視、空気圧システム制御、高度測定などがあります。 ......
Oct 21, 2024
フレキシブル基板PCB 技術の今後の動向とイノベーション
フレキシブル プリント基板 (フレキシブルPCB) の世界は、技術の進歩と革新的な電子ソリューションに対する需要の高まりにより、急速に進化しています。この記事では、フレキシブル基板業界の最先端の技術とイノベーションを探り、市場動向と将来の成長分野を分析し、今後の潜在的な課題について議論し、フレキシブル基板の将来に関する専門家の見解を提供します。 新興技術 伸縮性エレクトロニクス 伸縮性電子機器は、フレキシブル基板技術の大きな進歩を表しています。これらの回路は、人間の皮膚のように、複数の方向に伸縮したり曲がったりするように設計されています。伸縮性電子機器の用途は多岐にわたり、体の動きに順応するウェアラブル健康モニターからロボット用の電子皮膚まで多岐にわたります。 図1: フレキシブル基板技術における伸縮性エレクトロニクス フレキシブル・リジッドハイブリッド フレキシブルリジッド ハイブリッド基板 は、フレキシブルセクションとリジッド セクションを 1 つのボードに統合し、両方の長所を兼ね備えています。この設計により、より複雑でコンパクトな電子アセンブリが可能になり、柔軟性を維持しながらパフォーマンス......
Oct 21, 2024
多層基板設計: 総合ガイド
多層基板とは何ですか? 多層基板は 2 層以上のプリント回路基板で、3 層以上の導電性銅箔層で構成されています。多層 PCB は標準的な電気基板で、上層と下層は両面 PCB に似ていますが、コアの両側に追加の層があります。両面回路基板の複数の層は、間に耐熱絶縁層を挟んで積層され、接着されています。アクティブ コンポーネントとパッシブ コンポーネントは多層基板の上層と下層に配置され、内側の積層層はルーティングに使用されます。内側の層には、メッキ スルーホール、ブラインド ビア、埋め込みビアなどのビアと、それらの間のすべての電気接続が含まれます。 これらの内部スタック層は、スルーホール (THT) 電子部品と表面実装部品 (SMD) の両方をこのタイプの PCB のどちらの面にもはんだ付けできるように配置されています。この技術を適用することで、さまざまな複雑さとサイズの PCB が実現します。多層基板 は最大 40 層にすることができます。 多層基板 が広く使用されているのはなぜですか? 多層プリント基板の需要は増加しています。電子機器の小型化、高速化、高性能化の要求により、多層基板の人気が高まってい......
Oct 21, 2024
プリント基板の比誘電率及び表面処理技術の説明及び考察
1.プリント基板の比誘電率について プリント基板(PCB)の設計において、比誘電率は非常に重要な要素の一つです。比誘電率は、基板材料が電界に対してどのように反応するかを示す指標であり、電子機器における信号伝送や電力供給の効率、性能に大きな影響を与えます。特に高周波回路や高速通信に使用されるプリント基板では、比誘電率が適切に管理されていないと、信号遅延や伝送損失、さらには回路全体の不安定化を引き起こす可能性があります。 図1 JLCPCB製品イメージ 1.1 比誘電率の定義と役割 比誘電率(RelativePermittivity,εr)は、材料が真空中に対してどれだけ電荷を蓄えられるかを示す値です。これは絶縁体材料において、電界の影響をどの程度遮るか、または許容するかを表します。PCBの基板材料において、比誘電率は、信号伝送速度や信号の整合性に影響を与えるため、特に高速信号伝送が求められる通信機器やコンピュータの基板設計では、非常に重要な指標です。 信号伝送の際、信号は基板上の導体パターンを通って移動しますが、基板材料の比誘電率が高いと、信号の伝播速度が遅くなります。逆に、低い比誘電率を持つ材料は......
Oct 26, 2024
基板実装技術詳細工程及び不良率抑制対策に対する考察
1.基板実装技術の詳細な工程及び応用技術 基板実装技術は、電子部品をプリント基板(PCB)上に取り付ける技術であり、現代の電子機器において不可欠なプロセスです。この技術は、電子機器の小型化、高性能化、多機能化に大きく寄与しており、さまざまな工程が含まれています。主な工程には、はんだペースト印刷、部品の実装、リフローはんだ付け、検査工程などがあり、それぞれにおいて高度な技術が求められます。 図1 JLCPCBの実装現場状況イメージ Step1)はんだペースト印刷は、PCB上の部品接合点にあたるパッドに、はんだペーストを印刷する工程です。この工程では、スクリーン印刷技術やステンシル印刷技術が使われます。はんだペーストの量やパッドへの均一な塗布が重要で、これが不均一だと部品の接合不良が発生しやすくなります。 Step2)部品実装工程では、表面実装(Surface Mount Technology:SMT)によって、部品が自動的に配置されます。ピック&プレースマシンと呼ばれる装置が、高速かつ高精度で部品を基板上に配置します。小型のチップ部品から複雑なIC(集積回路)まで、さまざまな部品が用いられ、設計の複......
Sept 27, 2024
実装(SMT)におけるはんだペーストの役割とJLCPCBの品質管理
表面実装技術(SMT)は、電子部品をプリント基板(PCB)に実装する方法に革新をもたらしました。SMT実装プロセスで重要な要素の1つははんだペーストであり、部品とPCBの間に強固で信頼性のある接続を確保する重要な役割を果たします。この記事では、実装におけるはんだペーストの重要性、その仕組み、そしてJLCPCBがどのようにして高品質のはんだペースト適用を実現しているかを探ります。 はんだペーストとは? はんだペーストは、粉末状のはんだとフラックス(化学洗浄剤)の混合物であり、リフローはんだ付けプロセスで使用されます。このペーストは、表面実装部品をはんだ付けする前にPCBに一時的に固定するために使用されます。PCBがリフローオーブンで加熱されると、はんだペーストが溶け、部品とPCBの間に恒久的な接続が形成されます。 はんだペーストの品質は、電子機器の性能と耐久性に重大な影響を与えます。適切に適用されなかったペーストは、接続の弱化、短絡、または部品の故障を引き起こす可能性があります。 実装(SMT)におけるはんだペーストの重要性 部品配置の精度: はんだペーストは、部品がPCBに正確に配置されるようにし......
Sept 24, 2024
PCB基板SMT工法によるPCB組立コストの不良品対策及び品質管理対策
PCB基板組み立てコストに寄与する要因および不良品発生原因について 1.PCB基板生産・組立コストに対する考察 PCB基板(プリント基板)の組み立てコストは、材料費、人件費、機械設備の稼働率、製造工程の複雑さ、そして不良品発生率など、さまざまな要因に影響を受けます。主に使用される材料の種類や、基板の多層化、表面実装部品(SMT)の小型化、そして部品の集積度が上がることで、コストが大きく変動します。特に、複雑な回路設計や特殊な部品を必要とする場合、製造プロセスが複雑になり、時間と労力が増すため、コストも比例して上昇します。 図1 PCB基板設計イメージ 一方、PCB基板不良品の発生原因としては、材料の品質不良、設計段階でのミス、組み立てプロセスでのエラー、機械のキャリブレーション不備などが挙げられます。特に、部品のはんだ付けにおけるミスや、PCB基板上の微小な接触不良が不良品の大きな要因となることが多いです。はんだボールの形成や、部品の正確な位置決めができないと、接触不良や短絡が発生し、製品の機能不全を引き起こします。 技術面でコストを削減する方法の一例として、自動光学検査(AOI: Automat......
Sept 24, 2024