感光基板とは?自宅でプリント基板を自作する仕組みと手順・工程を解説
1 min
- 感光基板とは
- 感光基板で基板が作れる仕組み
- 感光基板を使ったプリント基板の作り方
- 感光基板のメリット
- 感光基板のデメリット
- 感光基板とドライフィルムの違い
- 現在はPCB製造サービスとの使い分けが重要
- まとめ
電子工作を続けていると、「自分専用のプリント基板を作りたい」と考えることがあります。 ユニバーサル基板でも回路は製作できますが、配線が複雑になると見た目が悪くなったり、配線ミスが発生しやすくなったりします。
そのような場合に役立つのが感光基板です。感光基板を利用すると、自宅でも比較的高精度なプリント基板を製作できます。現在は安価なPCB製造サービスが利用できますが、試作品の確認や基板製作の学習目的として、感光基板による自作は今でも価値があります。
この記事では、感光基板の仕組みや製作方法、メリット・デメリットについて解説します。
感光基板とは

感光基板とは、光に反応する感光剤があらかじめ塗布された銅張積層板(CCL)のことです。電子工作では、自宅でプリント基板を製作するときに利用されることがあります。
通常の銅張積層板は、そのままでは回路パターンを作れません。しかし感光基板には感光剤が塗布されているため、光を利用して回路パターンを基板へ転写できるようになっています。
そのため、比較的細かい配線や複雑な回路パターンも再現しやすく、自作プリント基板をきれいに製作できることが特徴です。
感光基板で基板が作れる仕組み
感光基板が回路パターンを作れるのは、表面に塗布された感光剤が紫外線によって性質を変えるためです。
まず回路パターンを印刷したフィルムを基板へ重ね、紫外線を照射します。続いて現像を行うことで不要な感光剤を除去します。最後にエッチングを行うと、感光剤で保護されていない部分の銅箔だけが溶かされます。
その結果、必要な部分の銅箔だけが残り、回路パターンが形成されます。
つまり、
- 露光
- 現像
- エッチング
という工程によって、必要な銅箔だけを残して回路パターンを作ります。
このように光を使って微細なパターンを形成する方法は、工業製品のプリント基板や半導体製造でも利用されており、フォトリソグラフィと呼ばれる技術の基本的な考え方と共通しています。
感光基板を使ったプリント基板の作り方
1. パターンデータを作成する
最初に基板パターンを作成します。KiCadやEagleなどのPCB設計ソフトを利用する方法が一般的です。簡単な回路であれば、画像編集ソフトなどを利用してパターンを作成する方法もあります。作成したパターンは透明フィルムへ印刷します。
2. 露光を行う
感光基板の保護フィルムを剥がし、回路パターンを印刷したフィルムを重ねます。その状態で紫外線を照射します。露光時間は感光基板や光源によって異なりますが、一般的には数分程度です。露光不足や露光過多はパターン不良の原因になるため注意が必要です。
3. 現像する
露光後は現像液を使用して不要な感光剤を除去します。現像が終わると、エッチングによって残す部分と除去する部分が明確になります。この段階で回路パターンがはっきり見えるようになります。
4. エッチングする
塩化第二鉄や過硫酸ナトリウムなどのエッチング液を使用して、不要な銅箔を溶かします。感光剤で保護された部分だけが残り、回路パターンになります。自作基板製作では最も重要な工程の一つです。
5. 穴あけ・仕上げを行う
最後に部品を実装するための穴加工を行います。スルーホール部品を使用する場合は特に重要です。 穴あけが完了すると、自作プリント基板として使用できる状態になります。
感光基板のメリット
感光基板には多くのメリットがあります。
- 比較的高精度なパターンを作成できる
- 細い配線も再現しやすい
- 設計変更をすぐ試せる
- 基板製造工程を学習できる
- 少量試作に向いている
特に電子工作の学習には非常に有効です。PCBがどのように作られているのかを理解できるため、設計スキル向上にもつながります。
感光基板のデメリット
一方で注意点もあります。
- 薬品を扱う必要がある
- 露光条件の調整が必要
- 多層基板の製作は困難
- 大量生産には向かない
- スルーホールめっきが行えない
とくに、薬品の管理や廃棄処理に手間がかかります。また、最近では格安のPCB製造サービスが普及したため、コスト面では必ずしも有利とは限りません。
感光基板とドライフィルムの違い
自作PCBの方法として、感光基板の代わりにドライフィルムを利用する方法もあります。感光基板は最初から感光剤が塗布されているのに対し、ドライフィルムは自分で貼り付けて使用します。ドライフィルムの方が大きな基板にも対応しやすく、材料コストを抑えられる場合があります。一方で作業工程は増えるため、初心者には感光基板の方が扱いやすいケースが多いでしょう。
現在はPCB製造サービスとの使い分けが重要
現在では基板製造サービスを利用すると、高品質な基板を短期間で入手できます。そのため完成品として利用する基板であれば、外部へ発注した方が品質面や信頼性の面で有利なことが多くあります。しかし、
- 回路の検証
- 学習目的
- 短期間での試作
- 製造工程の理解
といった用途では、感光基板による自作が今でも有効です。目的に応じて使い分けることが重要です。
まとめ
感光基板は光に反応する感光剤が塗布された基板材料であり、自宅でも比較的高精度なプリント基板を作成できます。露光、現像、エッチングという工程を通じて回路パターンを形成できるため、PCB製造の仕組みを学ぶ教材としても優れています。
近年はPCB製造サービスが手軽に利用できるようになりましたが、試作や学習用途では感光基板の価値は依然として高いといえるでしょう。実際に基板を作ってみることで、PCB設計への理解もさらに深まります。


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