CCL(銅張積層板)とは?PCBの土台となる構造・種類・役割を徹底解説
1 min
- CCLとは
- CCLの構造
- CCLからPCBが作られるまで
- 代表的なCCLの種類
- CCLの性能がPCBへ与える影響
- 電子工作でもCCLの知識は有用
- まとめ
PCBやプリント基板は、スマートフォンやパソコン、家電製品などあらゆる電子機器に使用されています。こうしたPCBがどのような材料から作られているかをご存じでしょうか。
その出発点となるのがCCL(Copper Clad Laminate:銅張積層板)です。完成したプリント基板やPCBを目にする機会は多くても、その土台となるCCLについて詳しく知る機会はあまりありません。
しかし、CCLの性能や品質は完成したPCBの信頼性や性能に大きく影響します。この記事では、CCLの構造や役割、種類について初心者向けに解説します。
CCLとは
CCLとは、Copper Clad Laminate(銅張積層板)の略称です。絶縁材料の表面に銅箔を貼り合わせた材料であり、PCBやプリント基板を製造するための原材料として使用されます。
PCBメーカーでは、このCCLに対してフォトリソグラフィ(光を使って回路パターンを転写する技術)やエッチングなどの加工を施し、回路パターンを形成していきます。つまり、
- CCL:プリント基板の原材料
- PCB:回路パターンが形成されたプリント基板
という関係になります。私たちが普段目にするPCBは、すべてCCLから作られています。
CCLの構造
CCLは主に次の3つの要素で構成されています。
銅箔(Copper Foil)
表面に貼り付けられている銅箔です。PCBの配線パターンは、この銅箔をエッチング加工することで作られます。一般的なプリント基板では35μm(1oz)の銅箔が多く使用されています。大電流回路向けのPCBでは、より厚い銅箔が採用されることもあります。
絶縁材料(樹脂層)
銅箔を支える絶縁層です。エポキシ樹脂などが使用され、配線同士を電気的に絶縁する役割があります。PCBの耐久性や信頼性は、この絶縁材料の性能に大きく左右されます。
補強材
FR-4系のCCLではガラスクロスが利用されています。補強材によって機械的強度や寸法安定性が向上し、高品質なプリント基板の製造が可能になります。
CCLからPCBが作られるまで
PCBの製造はCCLから始まります。一般的な製造工程は次のようになります。
- CCLを準備する
- 感光材料を塗布する
- 回路パターンを露光する
- 現像を行う
- 不要な銅箔をエッチングで除去する
- 穴あけ加工を行う
- レジストやシルク印刷を行う
- 表面処理を行う
この工程を経ることで、銅箔の張り付けられたCCLから、実用的なプリント基板へと加工されます。
代表的なCCLの種類
FR-4系CCL
最も普及しているCCLです。現在流通しているPCBやプリント基板の大部分がFR-4を使用しています。 特徴として、
- 強度が高い
- コストと性能のバランスが良い
- 加工しやすい
- 耐熱性が高い
などがあります。
CEM系CCL
FR-4よりも安価な材料です。十分な強度を持ちながらコストを抑えられるため、家電製品などのコスト重視の民生機器向けPCBで利用される場合があります。
高周波用CCL
5G機器や無線通信機器では、特殊な高周波対応CCLが使用されます。通常のFR-4よりも信号損失が少なく、高速通信や無線通信に適した特性を持っています。
CCLの性能がPCBへ与える影響
CCLは単なる土台ではありません。PCBの性能や信頼性を左右する重要な要素です。CCLの品質が完成したPCBへ与える影響として、代表的なものを3つ紹介します。
信号品質
高速通信を行うPCBでは、CCLの誘電率や誘電損失が信号品質に大きく影響します。材料特性が適切でない場合、信号が弱くなったり、波形が乱れたりすることがあります。そのため、高速通信機器や高周波回路では用途に適したCCLの選定が重要です。
耐熱性
PCBは実装工程で高温のリフロー炉を通過します。CCLの耐熱性が不足していると、反りや層間剥離の原因となり、基板品質の低下につながることがあります。
強度
振動や衝撃が加わる環境では、CCLの機械的強度が重要になります。強度が不足するとクラックや配線断線の原因となるため、産業機器や車載機器では特に重視される性能の一つです。
電子工作でもCCLの知識は有用
電子工作では完成したPCBを利用することが多いため、CCLを意識する機会は少ないかもしれません。しかし、
- なぜFR-4が広く使われるのか
- なぜ高周波基板は高価なのか
- なぜ銅箔の厚さが異なる基板が存在するのか
といった疑問は、CCLの知識があると理解しやすくなります。また、自作プリント基板を製作する際にも役立つ知識です。
まとめ
CCLとは銅張積層板(Copper Clad Laminate)のことで、PCBを製造するための原材料です。完成したPCBの性能や信頼性は、加工技術だけでなくCCLそのものの特性にも大きく左右されます。基板設計を行う際は完成したPCBだけでなく、その土台となるCCLについても理解しておくことで、材料選定や基板仕様をより適切に判断できるようになるでしょう。


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