ツェナーダイオードで電圧を守るしくみ:定電圧回路の基本
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- ツェナーダイオードは通常のダイオードとは逆方向で使用する
- 直列抵抗で電流を制限する
- 抵抗値は負荷電流を見込んで決める
- 保護回路にも使用される
- まとめ
電子工作で電源まわりの回路を見ていると、一般的なダイオードとは少し異なる記号のツェナーダイオードが使われていることがあります。向きも通常のダイオードとは逆向きに見えるため、「なぜここに入っているのだろう」と感じるかもしれません。
ツェナーダイオードは、電圧を一定の範囲に保ったり、回路に過度な電圧がかかるのを抑えたりするために使用されます。「定電圧ダイオード」と呼ばれることもあり、電源回路や保護回路でよく使われる部品です。本記事では、ツェナーダイオードを用いた定電圧回路の基本を解説します。
ツェナーダイオードは通常のダイオードとは逆方向で使用する
一般的なダイオードは、主に順方向に電流を流す部品であり、通常は逆方向に電流を流さないように使用します。一方、ツェナーダイオードは、逆方向に電圧を加えたときの特性を利用します。
ツェナーダイオードに逆方向の電圧を加えていくと、ある電圧を境に電流が流れ始めます。このときの電圧を「ツェナー電圧」と呼びます。ツェナー電圧付近では、ダイオードの両端電圧がほぼ一定に保たれるため、定電圧回路や保護回路に利用できます。

ツェナーダイオードを用いた簡易定電圧回路。直列抵抗Rの後段が出力点Voutとなり、負荷とツェナーダイオードはVoutとGNDの間に並列接続されます。
上の回路では、直列抵抗Rの後段にある点が出力点です。負荷はこの出力点とGNDの間に接続され、ツェナーダイオードも同じ出力点とGNDの間に接続されています。つまり、負荷とツェナーダイオードは並列に接続されています。
並列接続のため、負荷にかかる電圧とツェナーダイオードにかかる電圧はほぼ同じです。ただし、両者に流れる電流まで同じになるわけではありません。直列抵抗を通過した電流は、負荷へ流れる電流とツェナーダイオードへ流れる電流に分かれます。
直列抵抗で電流を制限する
ツェナーダイオード回路で重要なのが直列抵抗です。抵抗を入れずに電源へ直接接続すると、ツェナーダイオードに大きな電流が流れ、発熱して破損する可能性があります。
この抵抗は、電流を制限するだけでなく、入力電圧とツェナー電圧の差も受け持ちます。たとえば、入力電圧が12 Vでツェナー電圧が5.1 Vの場合、その差である約6.9 Vが抵抗にかかります。
負荷電流が増えると、ツェナーダイオードへ流れる電流は減少します。ツェナー電流が不足すると定電圧動作を維持できず、出力電圧が低下することがあります。
抵抗値は負荷電流を見込んで決める

たとえば、入力電圧12 Vから約5.1 Vの出力を得る場合、負荷電流が5 mAで、ツェナーダイオードにも5 mA程度の電流を流しておきたいときは、合計10 mAとして計算します。この場合、抵抗値は次のように求められます。
6.9 V ÷ 10 mA = 約690 Ω
実際には680 Ωなど、計算値に近い標準抵抗値を選び、抵抗とツェナーダイオードの発熱も確認します。負荷電流が大きい用途では、ツェナーダイオードによる簡易回路ではなく、三端子レギュレータや電源ICを使用する方が適している場合もあります。
保護回路にも使用される
ツェナーダイオードは、過電圧保護にも使用されます。入力端子や信号線に想定以上の電圧が加わったとき、ツェナーダイオードが導通して電圧の上昇を抑えることで、後段の回路を保護します。
たとえば、マイコンの入力端子やトランジスタ回路の前段で、信号電圧が上がりすぎるのを抑えたい場合があります。ただし、大きなサージや強いノイズをすべて受け止められるわけではありません。保護対象や電圧・電流の大きさによっては、TVSダイオード、ヒューズ、専用ICなどと組み合わせて検討する必要があります。
まとめ
ツェナーダイオードは、逆方向で使用することで、電圧を一定値付近に保つ特性を持つダイオードです。簡易的な定電圧回路や過電圧保護回路に使用されます。
使用する際は、ツェナー電圧だけでなく、直列抵抗、負荷電流、ツェナーダイオードの発熱や定格も確認しましょう。小型の部品ですが、電源回路で電圧を安定させ、回路を保護するうえで重要な役割を果たします。


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