ABF基板とは?半導体パッケージを支える高密度配線材料
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- ABFフィルムは絶縁層として使われる
- なぜ半導体パッケージで重要なのか
- ビルドアップ基板とABF
- 液状の絶縁材料と比べたABFのすごいところ
- 一般的なプリント基板とは使われる場所が違う
- まとめ
ABF基板という言葉を聞くと、基板そのものの種類のように感じるかもしれません。しかし厳密には、ABF自体は基板ではなく、半導体パッケージ基板に使われるフィルム状の層間絶縁材料です。
ABFとは「Ajinomoto Build-up Film」の略で、日本語では味の素ビルドアップフィルムと呼ばれます。一般に「ABF基板」と呼ばれる場合は、ABFフィルムを使って作られた高密度な半導体パッケージ基板を指すことが多いです。
スマートフォンやパソコンなどに使われる高性能な半導体では、小さなチップから多くの信号を外へ取り出す必要があります。そのため、半導体チップと外部のプリント基板の間には、細かい配線を持つパッケージ基板が使われます。ABFフィルムは、そのような半導体パッケージ基板を支える材料として重要です。
ABFフィルムは絶縁層として使われる
ABFフィルムは、半導体パッケージ基板の層間絶縁材料として使われます。基板の中では、銅配線の層と絶縁層を重ねながら、細かい回路を作っていきます。
銅配線どうしが不要につながると、回路はショートしてしまい、意図どおりに動作しません。そのため、配線層の間を絶縁しながら、必要な場所だけビアなどで接続する必要があります。ABFフィルムは、このような多層構造の中で、配線と配線を分離する役割を果たします。
なぜ半導体パッケージで重要なのか

半導体チップの内部では、非常に細かい配線で信号がやり取りされています。一方、電子機器のプリント基板側では、それより大きな端子間隔で接続します。
この細かい世界と大きな基板の世界をつなぐために、パッケージ基板が必要になります。ABFフィルムを使ったパッケージ基板では、微細な配線を何層にも積み上げることで、チップから出る多くの信号を外部へ引き出しやすくします。
ビルドアップ基板とABF
「ビルドアップ」とは、層を積み重ねて基板を作っていく考え方です。ABFフィルムを使うことで、薄い絶縁層を重ねながら、細かな配線を形成できます。
高性能CPUなどでは、チップ側の細かい端子から、外部基板側の接続へ信号を導く必要があります。ABFは、その間にある複雑な配線層を作るための材料として使われます。
液状の絶縁材料と比べたABFのすごいところ
ABFが注目された理由の一つは、液状の絶縁材料を塗る方式ではなく、フィルムとして扱える点です。液状樹脂をコーティングする場合、気泡や塗布ムラが発生し、不良につながることがあります。ABFはフィルム状の材料なので、こうしたムラを抑えやすい点が大きなメリットです。
また、溶剤の揮発がなく、作業環境を悪化させにくいことも特徴です。さらに、両面同時加工が可能で生産性に優れ、薄い基板では反りによるトラブルを防ぎやすいとされています。
表面の平滑性に優れ、膜厚をコントロールしやすい点も、微細な配線を作る半導体パッケージ基板では重要です。つまりABFは、単に絶縁するだけでなく、高密度な回路を安定して作るための材料として優れています。
一般的なプリント基板とは使われる場所が違う

ABFフィルムは、一般的な電子工作用のプリント基板でよく使う材料というより、半導体パッケージ基板で使われる材料です。たとえば、ICパッケージ基板やFC-BGAのような高密度なパッケージでは、チップと外部基板をつなぐために細かい配線が必要になります。
そのため、ABF基板を理解するときは、通常のプリント基板ではなく、半導体チップのすぐ近くにある高密度な中間基板をイメージすると分かりやすいです。
まとめ
ABF自体は、味の素ビルドアップフィルムという層間絶縁材料です。「ABF基板」と呼ばれる場合は、ABFフィルムを使って作られた半導体パッケージ基板を指すことが多いです。
半導体チップとプリント基板をつなぐには、細かい信号を整理して外へ引き出す中間の基板が必要です。ABFフィルムは、その高密度な配線層を支える材料として、ICパッケージ基板を理解するうえでも欠かせない基本になります。


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