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内層残銅率が基板厚みに与える影響

初出公開日 Feb 09, 2026, 更新日 Feb 09, 2026

1 min

子どもの頃に「カラスの水飲み」という童話を聞いたことがある方も多いと思います。瓶の中の水に石を落として水位を上げる、という話です。同じ原理が多層PCBのラミネーション工程にも当てはまります。高温・高圧下では、PP(プリプレグ)シートが液状に流動し、層間の隙間を埋めます。この工程は「樹脂充填(レジンフィリング)」と呼ばれます。


図に示すように、内層の銅面積(銅カバレッジ)が少ない場合、同じ厚みのPPシートでも、層間の隙間により多く均一に流れ込みます。その結果、PPが冷却・硬化した後の全体板厚は薄くなり、基板全体の厚みも薄くなります。

では、基板厚みが公差下限を下回らないようにするには、内層にどれくらい銅を配置すべきでしょうか。ここで重要になるのが残銅率です。

残銅率とは、内層における銅配線パターンの面積が、基板全体の面積に占める割合を指します。

残銅率 = 当該層の銅面積 ÷ 基板全体の面積


多層基板のラミネーションでは、PPシートを裁断し、内層コア基板同士の間、またはコア基板と銅箔の間に配置します。PP上の樹脂は高温・高圧で溶融し、コア基板上の銅のない部分を埋めます。冷却後、樹脂は硬化し、コア基板と銅箔を強固に接着します。

もし残銅率が低すぎる場合(下図参照)、基板全体の厚みが薄くなり、さらに層ごとの銅分布が不均一になることで、基板反り(ワーページ)が発生しやすくなります。


ここでゴールドフィンガー基板について特に注意が必要です。ゴールドフィンガー基板はスロットに挿入して使用するため、板厚に非常に敏感です。基板が薄すぎると、挿入時にガタついたり、接触不良を引き起こす可能性があります。


そのため、以下を強く推奨します。

1)ゴールドフィンガーを有する多層基板では、空白領域を銅でベタ埋めしてください。特にゴールドフィンガー部の内層では必須です。これにより、基板が薄くなりすぎてスロットに合わない、配線幅が不均一になるといった問題を防げます。

2)残銅率が25%未満の場合、めっきムラによる配線幅不均一や板厚ばらつきを抑えるため、空白部への銅ベタ配置を行ってください。

【見落とされがちなゴールドフィンガー設計上の注意点】

内層・外層を問わず、ゴールドフィンガー部では各パッド間に**ソルダーレジストのブリッジを設けず、完全な開口(オープンウィンドウ)**にしてください。頻繁な抜き差しによってインク(レジスト)が剥がれ、スロット内に落ちると、接触不良や機能不良の原因となります。

まとめ

すべての基板において、設計性能に影響しない範囲で、可能な限り空白領域には銅を配置することを推奨します。特に残銅率が25%未満の場合は、必ず銅ベタを行ってください。

ゴールドフィンガー基板では、ゴールドフィンガー部の内層には必ず銅を配置し、外層ではゴールドフィンガー部にソルダーレジストの完全開口を設けることが重要です。

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