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PCBのTgとは?

初出公開日 Feb 10, 2026, 更新日 Feb 10, 2026

1 min

PCBのTgはどのように選定すべきか?

PCB製造において、「Tg」とは**ガラス転移温度(Glass Transition Temperature)**を指します。これは、材料が加熱される過程で、硬くて脆い固体状態から、ゴムのような弾性状態へと変化する温度のことです。




ご存じの通り、PCBは難燃性が求められます。一定の温度で燃焼するのではなく、加熱されると徐々に軟化する特性を持っています。

温度がTgを超えると、PCB基材であるFR-4は、硬く脆い状態から柔らかい状態へと変化します。この変化により、基板の寸法変化や反り、歪みが発生し、最終的には機械的特性や電気特性に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、PCB材料を選定する際には、想定される動作温度範囲を十分に考慮し、設計要件を満たすTg値を持つ材料を選ぶ必要があります。

高Tg基板は、夏の高温環境から冬の低温環境まで、さまざまな使用条件下でも電子機器の安定動作を保証します。PCB設計および製造において、適切なTg値を持つ基材を選択することは、製品の品質と性能を確保するための重要な要素です。


PCBのTg分類

PCB製造では、用途要件に応じて適切なFR-4基材が選択されます。標準的な基材はエポキシ樹脂系であり、Tg値はFR-4基材グレードを分類する最も一般的な指標です。

温度特性に基づき、一般的に以下の3種類に分類されます。

  • 一般Tg
  • 中Tg
  • 高Tg

一般Tg(Low Tg)

低TgのFR-4基板のガラス転移温度は、通常**約130~140℃**です。

優れた物理特性、成熟した製造技術、そしてコストパフォーマンスの高さから、現在でも多くの基板メーカーにとって主流の材料となっています。

例えば、一般的な3Cデジタル家電製品では、温度要件がそれほど高くないため、標準TgのFR-4で十分対応可能です。

一般Tg基板は加工プロセスが成熟しており、製造が容易でコストも低く、経済性に優れています。


中Tg(Medium Tg)

中Tg基板のTg値は**約150℃**です。

通常のFR-4基板と比較して、耐熱性、耐湿性、耐薬品性が向上しており、高温・高湿・腐食性環境でも長期間安定して動作します。

そのため、高速デジタル回路、マイクロ波回路、高周波回路など、より高い性能が求められる分野に適しています。

ただし、Tg150基板は通常のTg基板よりも加工が難しく、コストも高くなる点に注意が必要です。


高Tg(High Tg)

基材のTg値が170℃以上の場合、高い耐熱性、耐湿性、耐薬品性、寸法安定性など、重要な特性を備えたPCBとなります。

特に鉛フリーはんだプロセスでは、高Tg材料の使用が不可欠です。

以下の条件に該当する場合は、高Tg基板の使用が推奨されます。

  • PCB加工時間に制約がある
  • 多層基板設計
  • 高いはんだ付け温度(≥230℃)
  • 動作温度が高い(100℃以上)
  • ウェーブはんだ付けなど、大きな熱ストレスがかかる工程

高Tg基板は、10層以上の多層PCB、自動車産業、パッケージ基板、埋め込み基板、産業用制御機器、ルーターなどの分野で広く使用されています。

ただし、Tg値が高くなるほどPCBのコストも上昇します。一般的に、高Tg基板は温度耐性が高く、反りや変形が起こりにくいという利点があります。

一方で、ガラス転移温度が高いということは、成形・プレス時の温度条件も厳しくなり、材料が硬く脆くなる傾向があります。その結果、機械加工(ドリル加工)や電気特性に一定の影響を与える場合があります。

コストと性能のバランスを考慮し、用途に応じた選定が重要です。

一般的な用途では、中Tgおよび低TgのFR-4で十分に要件を満たすケースが多くあります。


JLCPCBにおける高Tg FR-4対応

多層PCB向けに、JLCPCBでは高Tg FR-4材料を提供しています。

例えば「High Precision PCB」サービスでは、最大20層のPCB製造が可能で、複雑なレイアウトや高集積設計が求められるプロジェクトに最適です。

この高Tg FR-4材料は高温環境下でも安定性を維持し、優れた性能を発揮します。

PCBのTgはどのように選ぶべきか?

PCBの最大動作温度(Tg)を選定することは、高温環境下での信頼性と性能を左右する重要な判断です。以下のポイントを参考にしてください。

1. 使用環境を把握する

PCBが使用される環境において、想定される最高温度を明確にします。周囲温度、発熱量、放熱条件などを考慮し、必要なTg範囲を決定します。

2. 部品の最大動作温度を考慮する

搭載予定の電子部品が許容する最大動作温度を確認し、PCBのTgがそれを上回るように選定します。これにより、部品の正常動作と寿命を確保できます。

3. 適切なPCB材料を選択する

高Tg材料は、長時間の高温環境下でも構造強度と電気特性を維持できる能力を示します。用途に応じた材料選定が重要です。

4. PCB製造プロセスを考慮する

製造プロセスによっては、PCBのTgに影響を与える場合があります。メーカーの工程管理能力やTg管理体制を事前に確認することが重要です。

まとめ

PCBのTg選定には、使用環境、部品の耐熱仕様、PCB材料、製造プロセスなど、複数の要素を総合的に考慮する必要があります。

十分に高いTgを持つPCBを選ぶことで、高温環境下でも高い信頼性と性能を確保することができます。

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