リジット基板とは?特徴・用途からフレックスリジット基板との違いまで解説
1 min

電子機器の基盤となるプリント基板には、大きく分けてリジット基板とフレキシブル基板があります。本記事では、最も一般的に使われているリジット基板の特徴から、フレックスリジット基板との違い、適切な基板選定のポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。

リジット基板とは何か?基本構造と特徴
リジット基板(Rigid PCB)とは、硬い板状の基材を使用したプリント基板のことです。「リジット(Rigid)」は「硬い、曲がらない」という意味で、一般的な電子機器で最も広く使用されている基板タイプです。
主な材料(FR-4など)と構造
リジット基板の基材には、FR-4と呼ばれるガラスエポキシ樹脂が最も一般的に使用されます。FR-4は難燃性(Flame Retardant)を持ち、機械的強度と電気絶縁性に優れています。
基本構造は、この絶縁性基材の表面に銅箔を貼り付け、エッチング加工で配線パターンを形成したものです。
なぜ多くの電子機器で使われているのか
リジット基板が広く採用される理由は、製造技術が確立されており低コストで量産できること、機械的強度が高く取り扱いやすいこと、そして設計・製造のノウハウが豊富に蓄積されていることです。
また、耐熱性や絶縁性など電気的特性も安定しており、多くの用途に対応できる汎用性の高さも大きなメリットです。
リジット基板の主な用途と採用される理由

リジット基板は幅広い製品で使用されています。
スマートフォン、パソコン、テレビ、エアコンなどの家電製品、産業機器では制御装置、計測機器、通信機器、車載機器などが代表的です。
コスト・量産性・信頼性のメリット
リジット基板の最大の利点は、製造プロセスが標準化されており大量生産に適していることです。JLCPCBなどの製造サービスでは、設計データをアップロードするだけで低コストかつ短納期で基板を入手できます。
フレックスリジット基板とは?構造と特徴
フレックスリジット基板(Rigid-Flex PCB)は、硬いリジット部分と曲がるフレキシブル部分を組み合わせた基板です。
リジット基板とフレキシブル基板の長所を併せ持ち、複雑な形状や可動部を持つ電子機器に適しています。
可動部・省スペース設計への対応
フレックスリジット基板の最大の利点は、折り曲げや立体的な配置が可能なことです。複数のリジット基板をコネクタで接続する代わりに、フレックス部で一体化することで、接続の信頼性が向上し、組み立て工数も削減できます。スマートフォンやウェアラブル機器など、小型化と複雑な形状が求められる製品で威力を発揮します。
リジット基板とフレックスリジット基板の違い
リジット基板は全体が硬い基材でできており、曲げることはできません。一方、フレックスリジット基板は曲げられる部分を持ち、折り曲げた状態での使用が可能です。
設計自由度とコストの違い
リジット基板は平面的な設計に限られますが、設計がシンプルで製造コストも抑えられます。フレックスリジット基板は立体的な配置や複雑な形状に対応できる高い設計自由度がありますが、製造工程が複雑になるためコストは高くなります。
用途別の選び方
一般的な電子機器で、平面的な基板配置で十分な場合はリジット基板が最適です。コストを抑えながら信頼性の高い製品を実現できます。
一方、可動部がある製品、極端な小型化が必要な製品、複雑な立体形状への対応が必要な場合はフレックスリジット基板を選択します。
基板選定時に押さえておきたいポイント

基板選定では、まず製品の使用環境を明確にします。
動作温度範囲、湿度、振動、衝撃などの条件によって、適切な基板タイプや材料が変わります。
実装方法・信頼性との関係
部品実装の方法も基板選定に影響します。リジット基板はSMT(表面実装)やスルーホール実装に適しており、自動実装による量産が容易です。
将来の量産・コストを見据えた基板選定
試作段階では機能実現を優先しがちですが、量産を見据えた基板選定が重要です。リジット基板は量産時のコストメリットが大きく、供給も安定しています。JLCPCBなどのサービスでは、試作から量産まで一貫して対応しており、初期段階から量産を考慮した設計をサポートしています。
FAQ
Q: リジット基板の「FR-4」とは何ですか? A: FR-4はガラスエポキシ樹脂を基材とした難燃性の基板材料で、リジット基板の標準的な材質です。機械的強度と電気特性に優れ、コストと性能のバランスが良いため広く使用されています。
Q: 小型製品には必ずフレックスリジット基板が必要ですか? A: いいえ、必ずしも必要ではありません。小型でも可動部がなければリジット基板で十分です。複数の小型リジット基板をコネクタで接続する方がコスト面で有利な場合も多くあります。
人気記事
学び続ける
厚銅PCB:その利点と応用の概要
厚銅PCB:その利点と応用の概要 プリント回路基板(PCB)は現代の電子機器の支柱であり、電子部品の接続と電気信号の伝達を担うプラットフォームを提供しています。高性能で信頼性の高い電子機器への需要が高まるにつれ、メーカーはPCBの全体的な性能と耐久性を向上させる方法を絶えず模索しています。厚銅PCBは、標準PCBに対していくつかの利点を提供する特殊なタイプのPCBです。標準PCBと比較して厚い銅層を持つように設計されており、より高い電流容量、向上した熱管理、そして高い耐久性を実現します。この記事では、厚銅PCBの利点と現代の電子機器における応用について説明します。 厚銅PCBとは? 厚銅PCBは、標準PCBよりも厚い銅層を持つように設計されたプリント回路基板です。厚銅PCBの銅層の厚さは3ozから20oz以上の範囲にありますが、標準的なものは通常1ozです。厚い銅層は高い電流容量、向上した熱管理、そして高い耐久性を提供し、高電力アプリケーションでの使用に最適です。 厚銅PCBの利点 1. 高電流対応能力 厚銅PCBの最も顕著な利点の1つは、銅層を流れる高電流を処理できることです。厚い銅層により、発......
PCBの厚さの選び方
まず、電子製品の世界では、PCBはしばしば「心臓」と呼ばれ、すべてを接続する重要な部品として基板厚みは重要なパラメータとなります。PCBの厚みが適切に選択されるかどうかは、最終的な電子製品の性能、安定性、信頼性に直接影響します。 PCB厚みの選択プロセスは、製品の応用シナリオ、基板材料、銅層の数など、様々な要因の影響を受けます。したがって、PCB厚みを選択する際には、これらの要因を総合的に考慮する必要があります。 異なるPCB厚みの特性と応用 最も一般的に使用されるPCB厚みは、0.4 mm、0.6 mm、0.8 mm、1.0 mm、1.2 mm、1.6 mm、2.0 mmです。厚みの異なるPCBは、回路性能に異なる影響を与えます。 超薄型PCB(0.6 mm未満) 超薄型PCBは軽量で柔らかく、曲げやすいため、スペース効率が求められる製品に適しています。例えば: スマートフォンとタブレット ウェアラブルデバイス ロボット ノートパソコン ドローン これらの製品は非常に薄く軽いPCBを必要とするため、超薄型厚みのPCBを使用することで要件を満たすことができます。しかし、超薄型PCBは相対的に耐荷重......
リジット基板とは?特徴・用途からフレックスリジット基板との違いまで解説
電子機器の基盤となるプリント基板には、大きく分けてリジット基板とフレキシブル基板があります。本記事では、最も一般的に使われているリジット基板の特徴から、フレックスリジット基板との違い、適切な基板選定のポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。 リジット基板とは何か?基本構造と特徴 リジット基板(Rigid PCB)とは、硬い板状の基材を使用したプリント基板のことです。「リジット(Rigid)」は「硬い、曲がらない」という意味で、一般的な電子機器で最も広く使用されている基板タイプです。 主な材料(FR-4など)と構造 リジット基板の基材には、FR-4と呼ばれるガラスエポキシ樹脂が最も一般的に使用されます。FR-4は難燃性(Flame Retardant)を持ち、機械的強度と電気絶縁性に優れています。 基本構造は、この絶縁性基材の表面に銅箔を貼り付け、エッチング加工で配線パターンを形成したものです。 なぜ多くの電子機器で使われているのか リジット基板が広く採用される理由は、製造技術が確立されており低コストで量産できること、機械的強度が高く取り扱いやすいこと、そして設計・製造のノウハウが豊富に蓄積......
PCBのTgとは?
PCBのTgはどのように選定すべきか? PCB製造において、「Tg」とは**ガラス転移温度(Glass Transition Temperature)**を指します。これは、材料が加熱される過程で、硬くて脆い固体状態から、ゴムのような弾性状態へと変化する温度のことです。 ご存じの通り、PCBは難燃性が求められます。一定の温度で燃焼するのではなく、加熱されると徐々に軟化する特性を持っています。 温度がTgを超えると、PCB基材であるFR-4は、硬く脆い状態から柔らかい状態へと変化します。この変化により、基板の寸法変化や反り、歪みが発生し、最終的には機械的特性や電気特性に悪影響を及ぼす可能性があります。 そのため、PCB材料を選定する際には、想定される動作温度範囲を十分に考慮し、設計要件を満たすTg値を持つ材料を選ぶ必要があります。 高Tg基板は、夏の高温環境から冬の低温環境まで、さまざまな使用条件下でも電子機器の安定動作を保証します。PCB設計および製造において、適切なTg値を持つ基材を選択することは、製品の品質と性能を確保するための重要な要素です。 PCBのTg分類 PCB製造では、用途要件に応じ......
PCBルーラー完全ガイド
PCB設計および製造の世界では、正確さと精度を実現するために適切なツールを持つことが非常に重要です。その中でも、プロフェッショナルからホビーユーザーまで幅広く支持を集めているツールの一つがPCBルーラーです。 この専用測定ツールは、正確な寸法測定、参照情報、部品フットプリントを提供し、設計者、エンジニア、技術者、組立担当者がPCB開発のさまざまな工程で作業を進めるのを支援します。 本ガイドでは、PCBルーラーとは何か、その主な機能や測定項目、適切なPCBルーラーの選び方、そしてカスタムPCBルーラーを作成するためのポイントについて解説します。 PCBルーラーとは? PCBルーラーとは、PCB関連作業のために特別に設計された専用測定ツールです。FR-4や金属などの耐久性の高い素材で作られており、長期間にわたって高い精度を維持します。 ルーラーには、寸法目盛り、部品フットプリント、各種リファレンスガイドなどが幅広く刻印されており、PCB設計および実装作業を効率的に進めることを目的としています。 PCBルーラーの主な役割 PCBルーラーは、PCB設計プロセスにおいて主に2つの重要な役割を果たします。 ま......
アルミニウムPCB:電子機器における熱マネジメントを革新する技術
はじめに 急速に進化するエレクトロニクスの世界において、発熱をいかに効果的に管理するかは、デバイスの信頼性と性能を維持するための重要な課題です。この分野における大きな進歩の一つが、アルミニウムPCB(アルミ基板)の採用です。 優れた熱伝導性と放熱性能で知られるアルミニウムPCBは、高出力用途における重要なソリューションとなっています。本記事では、アルミニウムPCBの利点、用途、設計上の考慮点について解説し、どのように熱マネジメントを革新しているのかを紹介します。 熱マネジメントにおけるアルミニウムPCBの役割 アルミニウムPCBは、電子機器の熱管理の在り方を大きく変えています。従来のFR4 PCBと比較して、アルミニウムPCBははるかに高い熱伝導率を持ち、重要な部品からの熱を効率的に放散することが可能です。 この優れた熱マネジメント性能は、過熱が部品故障につながる高出力アプリケーションにおいて特に重要です。 アルミニウムPCBでは、アルミ基板自体がヒートシンクとして機能し、放熱性能を大幅に向上させます。その結果、最適な熱性能が確保され、デバイスの安定動作が可能となります。 また、アルミニウムPCB......