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Rogers vs PTFE vs テフロン:高周波PCB設計に最適な基板材料の選び方

初出公開日 Feb 06, 2026, 更新日 Feb 06, 2026

1 min

FR-4 は最も一般的な PCB 基板材料ですが、高周波 PCB では必ずしも最適とは限りません

それは導体材料に問題があるわけではなく、基板の誘電体特性に理由があります。高周波になるほど、誘電体そのものが信号を減衰させてしまうのです。

こうした課題を解決するために登場した高性能材料が、**Rogers、PTFE、テフロン(Teflon)**です。これらは、より優れた誘電率制御、低損失特性、高い熱安定性を提供します。ただし、コスト面では FR-4 より大きく異なります。

本記事では、以下のポイントを解説します。

  • Rogers、PTFE、テフロン基板の基礎
  • 誘電率、損失、熱特性の比較
  • 材料選定が RF 用 PCB 配線に与える影響を示す設計例


PCB設計において材料選定が重要な理由

高周波回路では、基板材料の以下2つの電気特性が極めて重要です。

1. 誘電率(Dk / εr)

誘電率は信号の伝搬速度を決定します。
Dk が低いほど信号速度は速くなり、波長は長くなります。

また、配線のインピーダンス計算にも直接影響します。

  • Rogers:Dk ≈ 2.2 ~ 6.5
  • PTFE / テフロン:Dk ≈ 2.1


2. 誘電正接(Df / tanδ)

誘電損失を表す指標で、RF エネルギーがどれだけ熱として失われるかを示します。
Df が低いほど高効率です。

代表的な材料の比較(1 GHz 付近):

  • FR-4:約 0.015 ~ 0.02
  • Rogers RO4350B:約 0.0037
  • PTFE / テフロン:約 0.0002 ~ 0.0009

各材料の特徴

1. Rogers 基板

Rogers Corporation は、RO4000 シリーズや RO3000 シリーズなど、幅広い高周波 PCB 材料を提供しています。

主成分は炭化水素セラミック複合材または PTFE 複合材です。

  • 数百 MHz ~ 数十 GHz まで低損失
  • 高周波材料の中でも熱安定性が非常に高い
  • レーダー、衛星通信、高精度 RF 機器で多用


2. PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)基板

周波数変化に対して誘電率の変動が非常に小さく、極めて低損失なのが特長です。

  • 全材料中で最小クラスの損失
  • 電気特性は非常に優秀
  • 機械的に柔らかく、温度変化で銅箔が伸縮しやすい
  • 医療機器、レーダー用途で多用


3. テフロン(Teflon)基板

テフロンは PTFE の商標名(DuPont / Chemours 登録)です。

PCB 分野で「テフロン基板」と呼ばれるものは、ほぼ PTFE 系材料を指します。

  • PTFE と同等の低損失・低 Dk 特性
  • 純 PTFE または PTFE 複合材を指すことが多い
  • 柔らかいため、特殊な製造プロセスが必要
  • 10 GHz 以上の超高周波、航空宇宙・衛星通信で使用


実例:伝送線路設計への影響

10 GHz・50Ω マイクロストリップを設計する例を考えます。

  • 基板厚:0.8 mm
  • 銅厚:35 µm

ケースA:Rogers RO4350B

  • Dk = 3.48、Df = 0.0037

結果:

  • 必要な配線幅:約 1.6 mm
  • 減衰:約 0.26 dB/inch


ケースB:PTFE / テフロン

  • Dk = 2.1、Df = 0.0005

結果:

  • 必要な配線幅:約 2.45 mm
  • 減衰:約 0.04 dB/inch


ケースC:FR-4(比較用)

  • Dk ≈ 4.4、Df ≈ 0.017

結果:

  • 必要な配線幅:約 1.35 mm
  • 減衰:約 0.82 dB/inch(10 GHz では非常に大きな損失)


Dk が低いほど、同じインピーダンスでも配線幅は広くなります。

これは基板面積(レイアウト)に影響します。

PTFE / テフロンは超高周波で圧倒的な性能を発揮しますが、Rogers は加工性とのバランスが優れています。


材料選定の指針

Rogers を選ぶべき場合

  • ~20 GHz 程度の中~高周波設計
  • 性能と製造性のバランスが必要
  • RF とデジタルが混在する基板

PTFE / テフロンを選ぶべき場合

  • 超低損失が必須(レーダー、衛星通信)
  • 20 GHz 超の周波数帯
  • 宇宙・極限環境での高信頼性設計


まとめ

Rogers、PTFE、テフロンの選択は、以下の要素で決まります。

  • 使用周波数と許容損失
  • 製造対応力
  • コスト
  • 機械的制約

多くの RF 設計者にとって、**Rogers RO4350B は ~20 GHz までの最適解(スイートスポット)**です。

一方、限界性能を求める超低損失システムでは、PTFE / テフロンが依然として最強です。

高周波材料を使う限り、製造上のチャレンジは避けられません。それを理解した上での材料選定が、成功する RF PCB 設計の鍵となります。

学び続ける