多層基板とは?4層・6層基板の設計ポイント
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電子機器の小型化・高性能化に欠かせない多層基板について、基本から実践的な設計ポイントまで解説します。
多層基板とは?単層・両面基板との違い
基板選びで迷わないために、まず各タイプの違いを理解しましょう。
多層基板の基本定義と構造
多層基板は、ミルフィーユのように3層以上の銅箔を絶縁材で挟んだプリント基板です。層間は「ビア」と呼ばれる穴で電気的に接続され、基板内部にも配線ができます。表面からは見えない内層に、電源やグランド専用の層を持つのが特徴です。
単層・両面基板との違い
単層基板:表面のみ配線。LEDライトなど簡単な製品向け 両面基板:表裏に配線。家電リモコンなど 多層基板:内部にも配線層。スマホやPCなど高機能製品向け
スマートフォン1台には10層以上の多層基板が使われています。
多層基板が使われる代表的な用途
スマートフォン、ノートPC、自動車制御装置、ドローン、Wi-Fiルーター、医療機器など「小さいのに高性能」な製品に採用されています。
基板多層化のメリットと注意点
多層化することで得られる利点と、考慮すべき課題について見ていきましょう。
配線密度・信号品質が向上する理由
両面基板では部品を増やすと配線が交差して配置できません。多層基板なら内層も使えるため、同じ面積で3〜5倍の配線が可能です。信号線の下にグランド層があることで、高速信号でも波形が乱れにくくなります。
ノイズ対策・電源設計の面での利点
グランド層が「電磁波の壁」として働き、他の回路への干渉を防ぎます。無線通信機能がある製品では必須の構造です。電源とグランドを別層にすることで、IC全体に安定した電圧を供給できます。
多層化によって増えるコストと設計難易度
4層基板の製造コストは両面基板の約2倍です。内層は製造後に修正できないため、設計ミスがあると全てやり直しになります。シミュレーションによる事前検証が重要です。
4層基板の基本構成と設計ポイント
最も普及している4層基板の構造と、設計時の重要ポイントを解説します。
代表的な4層基板の層構成
最も一般的な構成は、外側2層が信号線、内側2層がグランドと電源です。この「サンドイッチ構造」により信号線がノイズに強くなります。Arduino互換ボードや産業用センサーで採用されています。
4層基板が向いているケース
マイコンやセンサーを使った製品、クロック速度50MHz程度までのデジタル回路、50〜100個程度の部品を載せる設計に最適です。個人開発でもコストが現実的です。
初心者が注意すべき設計ポイント
電源とグランドは必ず内層に配置しましょう。ビア(層間接続穴)は必要最小限に。1個あたり数円〜数十円のコスト増になります。
6層基板の特徴と4層基板との違い

より高度な設計に対応する6層基板について、4層との違いを中心に説明します。
6層基板の一般的な層構成
信号層を3〜4層持てるため、配線が複雑な設計に対応できます。5V・3.3V・1.8Vなど複数の電源を使う製品では、電源層を分割使用します。高性能ルーターやドライブレコーダーで採用されています。
4層基板では不足する場合の判断基準
部品数150個以上、クロック速度100MHz以上、DDR3/4メモリ搭載、複数電源電圧が必要な場合は6層を検討します。
高速信号・高密度設計でのメリット
USB3.0、HDMI、ギガビットイーサネットなど高速インターフェースでは、信号品質を保つために6層以上が推奨されます。配線層が増え、信号線同士の干渉も避けやすくなります。
多層基板の作り方|設計から製造まで

実際に多層基板を作る際の具体的な手順と注意点をまとめます。
多層基板設計の基本的な流れ
回路図作成→層構成決定→CADソフトで配線→設計ルールチェック→製造データ出力→基板メーカーへ発注という流れです。初めての場合は設計から製造まで2〜3週間見ておきましょう。
設計時に決めるべき仕様
層数(4層か6層)、基板サイズ、厚み(標準1.6mm)、最小配線幅(一般的に0.15mm以上)を決めます。メーカーの標準仕様を選ぶとコストを抑えられます。
製造・発注時に注意すべきポイント
国内メーカーは高品質で納期2週間、中国メーカーは低コスト・納期1週間程度です。JLCPCBやPCBWayなら4層基板5枚で3,000〜5,000円程度から製造可能です。
FAQ
Q: 4層と6層、どちらを選ぶべきですか? A: 迷ったら4層から始めましょう。配線が完成しない場合のみ6層を検討します。
Q: 個人でも設計できますか? A: 可能です。無料ソフトKiCadで設計し、中国メーカーで5枚5,000円程度から製造できます。
Q: 設計ミスを防ぐコツは? A: CADの設計ルールチェック機能を必ず使用し、配線幅・間隔を製造会社の推奨値に設定することです。
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