フレキシブル基板(FPC)とは?特徴と活用事例
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フレキシブル基板(FPC基板、フレキ基板、フレキシブルプリント基板)は曲げ可能なプリント配線板のことです。
今回はフレキシブル基板の特徴と、活用事例について解説します。
フレキシブル基板とは?基本構造と仕組み
フレキシブル基板(FPC基板、フレキ基板、フレキシブルプリント基板)は曲げ可能なプリント配線板です。ベースフィルム(ポリイミドやPET)、導体層(銅箔)、カバーレイ(保護層)の3層構造で構成され、厚さ0.05~0.2mm程度と非常に薄型軽量です。
硬質基板(FR-4)は厚みが0.4~1.6mm程度あるのに対し、フレキシブル基板は数分の一の厚さです。ベースフィルムにはポリイミドが多く使用され、耐熱性や耐久性に優れています。「フレキ基板」という呼称は業界で広く使われている略称です。
フレキシブルプリント基板の特徴とメリット
フレキシブル基板の最大の特徴は、薄型・軽量・可動性の3つです。
薄型化のメリットとして、スマートフォンやウェアラブルデバイスなど狭小スペースへの組み込みが可能になります。基板厚0.1mm以下も実現可能です。
軽量化の面では、硬質基板と比べて50~70%の軽量化が実現できます。航空機やドローンなど、重量が性能に直結する分野で大きなメリットがあります。
可動性については、三次元配線が可能で、最小配線幅50μm以下の高密度実装にも対応できます。適切に設計すれば10万回以上の屈曲に耐えられます。
活用事例としては、折りたたみスマートフォンのヒンジ部分、ノートPCのディスプレイ接続部、医療機器の内視鏡カメラ、自動車のエアバッグセンサー配線など、様々な分野で使用されています。
フレキシブル基板は自作できる?
フレキシブル基板の自作は可能ですが、難易度が高いのが実情です。
カッティングプロッターやレーザー加工機でパターン形成はできますが、カバーレイの貼り付けに高温・高圧プレスが必要、ベースフィルムの取り扱いが難しい(静電気、皺、破れ)、スルーホール加工の精度確保が困難といった課題があります。
自作の場合、設備導入に約5万円、製作時間は1~2日程度、最小線幅は0.2mm程度が限界です。外注製造なら数千円から発注でき、納期5~10営業日、0.05mm以下の微細パターンも製造可能です。
初心者が自作する場合は、片面基板から始めることをお勧めします。銅箔厚18μmのポリイミド基板を選び、LED点灯回路など、シンプルな回路で基本を習得しましょう。
フレキシブル基板を自作・設計する際の基本ステップ
Step1:用途・仕様の整理
使用環境(温度、湿度)、屈曲条件(静的か動的か)、曲げ半径、電流容量などの仕様を明確にします。
Step2:回路設計とレイアウト設計
KiCad、Eagle、Altium DesignerなどのCADツールで回路図を作成します。曲げ方向と平行に配線し、コネクタ部や部品実装部には補強板を計画します。
Step3:材料・厚みの選定
ベースフィルムはポリイミド(耐熱性200℃以上)、PET(コスト重視)、PEN(中間性能)から選択。厚みは25μm(極薄型)、50μm(標準)、75~125μm(高電流用)、銅箔厚は12μm(信号線)、18μm(汎用)、35μm(電源線)を選びます。
Step4:製造方法の検討
カッティングプロッター法、レーザー加工法、トナー転写法などから選択します。
Step5:組み立て・動作確認
カバーレイ貼付、補強板接着、部品ハンダ付け後、導通テスト、絶縁抵抗測定、曲げテストで確認します。
フレキシブル基板設計時の注意点
曲げ半径の設定が重要です。静的曲げ(一度曲げたら固定)の場合は基板総厚×10以上、動的曲げ(繰り返し屈曲)の場合は基板総厚×20~50以上の曲げ半径を確保します。例えば、総厚0.1mmの基板なら、静的曲げで最小1mm、動的曲げで2~5mmの半径が必要です。
配線設計では、曲げ部の配線は曲げ軸と平行に配置し、ビアは曲げ部から5mm以上離します。部品実装部には補強板(0.2~1.0mm厚)を配置し、端部はR面取りして応力集中を避けます。ハンダ付けはコテ温度300~350℃で行い、接触時間は3秒以内に抑えます。
FAQ
Q1. フレキシブル基板とフレックス基板は同じものですか?
A. はい、同じものです。FPC、フレキ基板など様々な呼び方がありますが、すべて柔軟性のあるプリント配線板を指します。
Q2. フレキシブル基板は何回まで曲げられますか?
A. 動的曲げ用途で適切に設計すれば10万回以上の屈曲に耐えられます。静的曲げであれば、ほぼ無制限です。
Q3. 自作と外注、どちらを選ぶべきですか?
A. 即座に試作したい場合や学習目的なら自作、高品質が必要な場合や量産を見据えるなら外注が適しています。
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