基板仕様設計及び性能評価
1.JLCPCBにおける基板の構造と誘電率について 基板は、電子部品を電気的に接続し、機械的に支持するための重要な要素です。その基本構造は、導電性の銅層と絶縁性の基材から成り立っています。基材として最も一般的に使用されるのはガラスエポキシ樹脂(FR-4)です。誘電率(相対誘電率)は基材の重要な特性の一つであり、電磁波の伝播速度や信号損失に直接影響を与えます。低誘電率の材料は信号が速く伝播し、損失も少なくなるため、特に高周波回路に適しています。 図1 JLCPCB基板製品イメージ 誘電率(εr)は、材料が電場に対してどのように反応するかを示す指標で、材料の電気的な絶縁特性を表します。誘電率が高い材料は、より多くの電荷を蓄える能力があり、逆に誘電率が低い材料は電荷を蓄える能力が低くなります。高周波信号では、誘電率のわずかな違いでも信号損失が増加します。設計者は、基板材料の誘電率だけでなく、誘電正接(loss tangent, tanδ)も考慮する必要があります。tanδは、信号が基板を伝播する際に失われるエネルギーの割合を示します。損失が小さい材料(低tanδ)を選定することで、特にRF回路や高速信号......
Dec 7, 2024